【医師監修】NTM症(非結核性抗酸菌症)とは?症状・原因・受診の目安を解説|池袋駅前内科・皮膚科クリニック|池袋駅徒歩2分|駅近|土日診療

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【医師監修】NTM症(非結核性抗酸菌症)とは?症状・原因・受診の目安を解説

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2026年10月14日

【医師監修】NTM症(非結核性抗酸菌症)とは?症状・原因・受診の目安を解説

ニュースで「NTM症」という病名を目にして、不安になった方も多いのではないでしょうか。

特に「咳が長く続いている」「中高年の女性に多いと聞いた」という方は、自分は大丈夫だろうかと心配になりますよね。

結論からお伝えします。NTM症は土や水回りにいる菌を吸い込むことで起こる肺の感染症で、人から人へはうつらないとされています。ただし、咳や痰が2週間以上続く場合は、胸部レントゲンなどで一度確認しておくことがすすめられます。

この記事では、NTM症の基本と、受診を考えたい目安を整理します。

NTM症(非結核性抗酸菌症)とは?

結論からお伝えします。NTM症は、土や水の中にいる菌を含む細かい水しぶきを吸い込むことで、主に肺に起こる感染症です。結核菌の仲間ではありますが、結核とは別の病気です。

※非結核性抗酸菌(NTM):結核菌などを除いた抗酸菌の総称です。土壌や水系などの自然環境のほか、浴室のシャワーヘッドや水道の蛇口などにも生息しているとされています。

感染のしかたは、次のような流れです。

環境中の菌

土・水回り・シャワーヘッド・加湿器など

↓

細かい水しぶきを吸い込む

シャワー・水仕事・土いじりなどの場面で

↓

肺の中で菌が増える

時間をかけてゆっくり進むことが多い

図:NTM症は、人からではなく環境中の菌を吸い込むことで起こります

つまり、感染源は「人」ではなく「身の回りの環境」です。肺への感染が最も多く、次いで皮膚への感染の順とされています。

国内の患者数は増えている

NTM症は、国内で患者数が増えていることが複数の調査で報告されています。

肺NTM症の有病率 罹患率(2014年) 7年間での増加
210.2人 14.7人 2.6倍
人口10万人あたり
(厚生労働省)
10万人年あたり
(AMED・2016年発表)
2007年→2014年
(AMED・2016年発表)

2014年の罹患率は、肺結核に匹敵する水準だったと報告されています。あまり聞き慣れない病名ではありますが、決してまれな病気ではなくなってきているということです。

人からうつる?家族や職場への影響

結論からお伝えします。NTMはヒトからヒトへは伝播しないとされています。結核のように、ご家族や職場の方へうつす心配は基本的にありません。

結核との違いを整理すると、次のようになります。

項目 結核 NTM症
人からうつるか ◯ ×
主な感染源 人 土・水などの環境
感染症法の届出 ◯ ×

◯:該当する ×:該当しない

※「うつらない」ことと「放っておいてよい」ことは別です。ゆっくり進行し、気づかないうちに肺の状態が変わっていくことがあるため、症状が続く場合は一度確認しておくことがすすめられます。

どんな人がかかりやすい?

結論からお伝えします。高齢の方、もともと肺の病気がある方、免疫のはたらきが低下している方で発症しやすいとされています。また、中高年の女性に多いことも報告されています。

当てはまるか確認してみましょう

□中高年(特に50代以降)の女性である

□気管支拡張症など、もともと肺の病気がある

□過去に結核にかかったことがある

□免疫を抑える治療(ステロイドなど)を受けている

□咳や痰が長く続いている

※当てはまる項目があっても、必ず発症するわけではありません。あくまで「気にかけておきたい方」の目安としてご覧ください。

女性と高齢者で増えている点は、研究でも示されています。岡山大学の研究グループは1997〜2016年の20年間を分析し、60歳以上の女性で死亡率が年々増加しており、2014〜2016年には女性においてNTM症の死亡数が結核を上回ったことを報告しています。

どんな症状が出る?受診を考えたい目安

結論からお伝えします。長引く咳・痰・発熱・呼吸困難が代表的な症状です。ただし初期には無症状のこともあり、健康診断の胸部レントゲンで偶然見つかることもあります。

症状の様子ごとに、考えたい対応を整理しました。

こんなとき 考えたい対応
咳や痰が2週間以上続く 内科・呼吸器内科で相談
血の混じった痰が出た 早めに受診
健診の胸部レントゲンで影を指摘された CTなどの詳しい検査を相談
発熱・体重減少・強い倦怠感がある 早めに受診

長引く咳は、NTM症だけでなく喘息や他の病気でも起こります。まずは原因を確かめることが大切です。

あわせて読みたい:喘息とは?症状・原因・見分け方を医師が解説

何科を受診する?診断までの3ステップ

結論からお伝えします。まずは内科、または呼吸器内科を受診してください。診断は、画像検査と痰の検査を組み合わせて進めます。

1

問診・診察

いつから、どんな咳や痰が続いているかを確認します。過去の肺の病気や、現在受けている治療も重要な手がかりになります。

2

画像検査(胸部レントゲン・CT)

結節状の影や気管支の広がりなどがないかを確認します。当院にはレントゲン室があり、胸部エックス線検査に対応しています。

3

痰の検査(培養)

痰を採取して菌を培養します。必要に応じて、気管支鏡を用いた検査が検討されることもあります。

※診断基準:胸部CTで特徴的な所見があり、他の病気が除外できること(臨床的基準)に加えて、2回以上の異なった喀痰検体で培養が陽性になることなど(細菌学的基準)の両方を満たすこととされています(日本結核・非結核性抗酸菌症学会/日本呼吸器学会、2024年11月改訂)。

痰の培養には数週間かかることがあります。1回の受診ですぐに結論が出るとは限らない点は、あらかじめ知っておくと安心です。

あわせて読みたい:健康診断で「要再検査」と言われたら?放置のリスクと受診の目安

治療はどう進む?

結論からお伝えします。治療は、複数の抗菌薬を組み合わせて行われます。ただし、診断されたからといって全員がすぐに治療を始めるとは限りません。

症状が軽く、画像上の変化もゆっくりな場合には、治療を始めずに定期的な検査で経過を見ていく選択がとられることもあります。年齢や他の病気の有無、副作用の出やすさなども含めて、医師と相談しながら方針を決めていきます。

※治療が始まった場合、服薬は長期間にわたります。自己判断で中断すると、薬が効きにくくなることがあります。気になる症状が出たときは、中断する前に主治医へご相談ください。

経過には個人差があり、治療によって菌が検出されなくなる方もいれば、再発を繰り返す方もいます。「早く見つけて、状態に合わせて付き合っていく」という考え方が基本になります。

今日からできる予防|水回りの対策

結論からお伝えします。菌は身の回りの環境にいるため、ゼロにすることはできません。ただし、菌を含む水しぶきを吸い込む機会を減らす工夫は、今日から始められます。

今日からできること

□シャワーヘッドや蛇口をこまめに掃除する

□浴室は使用後にしっかり換気する

□加湿器の水は毎日替え、タンクを洗う

□園芸や土いじりのときはマスクと手袋を使う

□浴槽やシャワーの汚れ(ぬめり)をためない

※これらを行えば必ず防げる、というものではありません。あくまで、菌に触れる機会を減らすための工夫です。神経質になりすぎず、無理のない範囲で続けてください。

迷ったら早めの受診を

最後にまとめます。

重要ポイント

✓人から人へはうつらない … 家族への感染は心配しすぎなくて大丈夫

✓咳・痰が2週間以上続く … 内科・呼吸器内科で胸部レントゲンを

✓血痰・健診での影の指摘 … 早めの受診を

✓診断は画像検査+痰の培養 … 結果が出るまで時間がかかることもある

NTM症はゆっくり進むことが多い病気です。だからこそ、「まだ大丈夫」と様子を見続けるより、気になった時点で一度確認しておくことが安心につながります。長引く咳や痰が続いている方は、どうぞお気軽にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q. NTM症は人にうつりますか?

A. NTMはヒトからヒトへは伝播しないとされています。結核とは異なり、ご家族や職場の方へうつす心配は基本的にありません。

Q. NTM症は何科を受診すればいいですか?

A. まずは内科、または呼吸器内科です。胸部レントゲンで確認したうえで、必要に応じてCTや痰の検査に進みます。

Q. NTM症は治りますか?

A. 経過には個人差があります。治療によって菌が検出されなくなる方もいますが、再発することもあります。症状が軽い場合は、すぐに治療を始めず経過を見ることもあります。

Q. 健康診断で見つかることはありますか?

A. あります。初期は無症状のことがあり、胸部レントゲンの影をきっかけに見つかることがあります。「要精密検査」と言われた場合は、そのままにせず受診してください。

Q. シャワーを浴びるのが怖くなりました。やめたほうがいいですか?

A. 入浴を避ける必要はありません。シャワーヘッドや蛇口をこまめに掃除し、浴室を換気するなど、現実的にできる範囲の対策で十分です。

出典

厚生労働省「非結核性抗酸菌症(NTM症)」(2026年10月時点)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/ntm.html

日本医療研究開発機構(AMED)「呼吸器感染症を引き起こす肺非結核性抗酸菌症の国内患者数が7年前より2.6倍に増加」(2016年6月発表)
https://www.amed.go.jp/news/release_20160607-02.html

岡山大学「日本国内における非結核性抗酸菌感染症の死亡率動向を解明」(2020年6月発表)
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id738.html

日本結核・非結核性抗酸菌症学会/日本呼吸器学会「肺非結核性抗酸菌症の診断基準」(2008年4月、2024年11月改訂)
https://www.kekkaku.gr.jp/pub/pdf/Guidelines_for_the_Diagnosis_of_Non-tuberculous_Mycobacterial_Antimycosis_2024_rev.pdf

東京都感染症情報センター「非結核性抗酸菌症(NTM症)」(2026年10月時点)
https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/ntm/

■ 当院で呼吸器の診察を受けられる曜日

当院では、呼吸器外科での診療経験をもつ院長(永松)の内科診察日は「月・火・水・木・金曜日」です。
土・日曜日の内科は交代制のため、長引く咳や痰について呼吸器の視点でご相談をご希望の方は、平日のご来院をおすすめします。

曜日 月 火 水 木 金 土 日
院長(永松) 〇 〇 〇 〇 〇 交代制 交代制

※院長の診察時間は11:00〜14:00/15:00〜18:00です。
※土・日曜日および18:00〜20:00の内科は交代制です。
※祝日は休診です。

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この記事の監修医

永松 裕紀 医師

池袋駅前内科・皮膚科クリニック 院長

東京医科大学医学部医学科卒業後、東京医科大学八王子医療センターおよび国際医療福祉大学三田病院にて、呼吸器外科診療に従事。

資格

医学博士
日本外科学会 外科専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医

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