皮膚科(保険診療)
皮膚科(保険診療)

「皮膚は内臓を映す鏡」と言われており、皮膚には皮膚疾患だけでなく、内臓疾患などの部分的な症状も皮膚症状として現れます。皮膚科は皮膚症状を通して内臓や血行、ホルモンバランスなど体内状態もみる診療科といえます。
皮膚には実に多くの症状があります。原因も様々で外的因子、内的因子、加齢など極めて多様です。
当院では患者様の立場にたった医療の実践や質の高い診断を第一とした最善の治療をめざしております。皮膚疾患の検査によって、思わぬ内科的疾患が見つかる場合もありますので、皮膚の異常がみられましたら、お早めにご相談ください。
ニキビは尋常性痤瘡といいますが一般的には思春期頃より発症する毛包脂腺系の慢性炎症性疾患です。発生する要因には、遺伝的要素や年齢、食事性因子、ストレス、月経不順、機械的刺激、化粧品などの内的・外的因子が関与します。当院では、保険診療による内服薬治療と外用薬治療を行っております。また保険診療の他にサリチル酸マクロゴールピーリング、クリアタッチによる光治療、イオン導入等による施術も行っております。
抗菌薬、漢方薬
アダパレン、過酸化ベンゾイル、抗菌薬
アトピー性皮膚炎は遺伝的な体質が深く関連した慢性で治りにくい湿疹です。患者様ご本人、御家族に気管支喘息や、花粉症(アレルギー性鼻炎・結膜炎)を高率に伴います。近年は、蕁麻疹と共に急激に発症が増加しています。20年前と比較すれば約7倍も増えています。そして小児期に発症し治癒した方が成人になり再発する例や小児期発症の遷延化や成人期発症(受験、進学、就職などを契機に)が非常に増えています。また上記のような心理的ストレスが悪化因子ともなりますので厄介な病気です。花粉やハウスダスト、ダニ、などの三大アレルゲンは勿論ですがペットの毛、食べ物やカビなども関与します。
尚、余談ですが「アトピー」とは、「奇妙な」「とらえどころがない」という意味のギリシャ語です。
アトピー性皮膚炎を起こしている部位では、皮膚のバリア機能が低下している状態になっていて、乾燥しやすくなっています。この状態をドライスキンと言います。このような肌は荒れやすく、かゆみの原因となっている微生物が肌の内部に侵入しやすくなるために、炎症やかゆみを起こしてしまうのです。アトピー性皮膚炎の患者様が化粧品や金属、汗に弱いのも、皮膚が弱くなってしまっていることが原因です。また、かゆみを我慢できずに繰り返し掻きむしってしまうことにより皮膚がさらに弱くなり、炎症も起こりやすくなってしまうので、湿疹が慢性化したり、患部が治りにくくなっていきます。ですから、お薬により炎症によるかゆみをコントロールすることが重要です。治療薬にはステロイドが入ったものとそうでないものがあります。ステロイド外用薬には細胞に働きかけて炎症を抑える効果があります。ステロイドが入っていない外用剤にはタクロリムス軟膏、モイゼルト軟膏、コレクチム軟膏、ブイタマークリームがあります。こちらは副作用がステロイド外用薬よりも軽いので、患部が顔や首あたりにあるときによく用いられます。また保湿も重要になってきますので全身に保湿剤の塗布を続けましょう。塗り薬の自己判断による中止はかえって症状をこじらせます。先述したように、アトピー性皮膚炎は症状が軽くなったり重くなったりと症状の出方に波があります。ですから、症状が治まったと思って薬の使用を止めてしまうと、かえって悪化してしまうことがあるのです。薬の量を調節したいと思ったときは、自分の判断ではなく、かならず医師の判断を受けるようにしましょう。アトピー性皮膚炎は大人になると治るともいいます。中高年になると症状が出なくなることもあるのですが、一度治ったとしても再発する可能性が十分にありますので、普段から肌が乾燥したりしないようにスキンケアを心がけることが重要です。再びアトピー性皮膚炎の症状が現れるようになったら、症状が重くならないうちになるべく早く受診し、対策を施すようにしましょう。
蕁麻疹とは、身体の一部がむくみ、かゆみを伴った症状のことを言います。
通常数分から数時間経過すると跡形もなく消えていきます。症状が広範囲に及ぶこともあり、むくみ以外にも赤み、ブツブツが出ることがあります。
蕁麻疹はヒスタミンという物質が関係しています。皮膚深くの細胞には肥満細胞があり、外部から何らかの刺激を受けるとヒスタミンを放出します。このヒスタミンが皮膚の下を流れる毛細血管に働きかけることで、血液に含まれる様々な成分がもれだすので、みみずばれや赤みといった症状がでるのです。
治療法としては抗ヒスタミン薬の内服治療になります。
水虫は皮膚糸状菌(真菌)によって起こる皮膚感染症です。部位によって足白癬、爪白癬、体部白癬、股部白癬、頭部白癬、などがあります。この中で一般に水虫と言われているのが足白癬です。体部白癬は、ゼニタムシ、股部白癬は、インキンタムシ、頭部白癬は、シラクモと言われてきました。水虫と言われる足白癬には、小水疱型と趾間型、角化型の3種類に分類されます。
上記それぞれに治療法や対処法が異なります。基本は塗り薬を用いて治療をしていきます。爪に入り込むと塗り薬が効きにくくなり爪が破壊されるため、内服薬を使用することもあります。
イボはウイルス性ですのでうつります。触っただけでは感染せず切り傷などにウイルスが入ったときだけ感染しイボになります。自分で勝手にイボを取るのはやめましょう。治療法として凍結、焼灼、内服薬(ヨクイニンエキス)があります。
うおのめ・タコとは毎日立ち仕事をしている方や日常的に歩くことが多い人の足裏、足の指にできます。
見た目で芯があるものがうおのめと呼ばれ、ないものがタコと呼ばれます。
原因としては足の皮膚が何度も圧迫や摩擦を受けることで、その部分の皮膚が分厚くなります。すると、ある部分の角質だけがとても分厚くなります。
放置しておくと、角質がさらに分厚くなり、神経を圧迫するので痛みが出てきます。例をあげますと、自分の足にあっていない靴を長時間履き続けていると、靴と足の間に摩擦が生じ、その部分にうおのめ・タコができます。角質が肥大化したものをタコ、そして角質が楔型となって皮膚深くに入り込んでいく状態がうおのめです。
タコの状態では患部あたりの感覚が鈍る程度ですが、うおのめは痛みを感じることがあります。
治療法としてはCO2レーザーで削る方法(自費診療)もしくは専用のハサミで切除する方法がございます。
注意点として履物の当たりがつよいところが後発部位ですので、履物は慎重に選ぶ必要があります。なるべくクッションのきいたサイズの合ったものを選びましょう。デザイン性優先のものや底の薄くて硬いもの、ヒールの高いものは症状を悪化させてしまいます。
また歩くときは体重を足全体に分散させるように歩けるように、日々意識して、適度に運動することが重要です。
乾皮症とは、皮膚が乾燥することによって表面がガサガサしたり、白い粉をふいた状態のことをいいます。さらに悪化するとひびが割れて痛みを発することがあります。
乾皮症は皮膚の表面の脂が減ってしまうことにより、皮膚の保湿性が低下し、乾燥してしまう病気です。中高年の方の手足やひざ下によく見られます。
皮膚表面の脂が減ってしまう原因はいくつかありますが、代表的なものとして洗浄剤に頻繁に接触していること、皮膚に物理的なダメージが多いこと、空気が乾燥していることが挙げられます。また、加齢や食生活の乱れによっても、皮膚表面に悪影響を与えてしまいます。治療法としては外用薬として、保湿剤を患部に塗布します。かゆみを伴っている場合は抗ヒスタミン薬や抗アレルギー剤を内服します。
口唇の周りに赤い水ぶくれができ、かゆみや痛みを伴います。初期症状は水疱が現れる前に皮膚にピリピリした違和感があります。そのまま放置すると赤い腫れがみられるようになり、やがてそこに水疱ができます。治療法は「抗ヘルペスウイルス薬」です。抗ヘルペスウイルス薬は、ウイルスの増殖を抑える働きがあります。この薬には飲み薬と塗り薬があり、症状が現れている場所や、広さ、症状の程度によって使い分けられます。
帯状疱疹はウイルスによる感染症、ウイルスの種類は水ぼうそうを起こすものと同じです。帯状に赤みが現れ、ブツブツや水膨れが症状としてあらわれます。1度水ぼうそうにかかると、水ぼうそうウイルスが背骨近くの神経節に留まります。留まっているときは体内の免疫機能によってウイルスが暴走しないように抑えています。しかし加齢、ストレス、疲労によって免疫機能が低下してくると水ぼうそうウイルスの働きを抑えられなくなり、皮膚上で帯状疱疹という形で発症するのです。帯状疱疹の治療は抗ヘルペスウイルス薬を内服します。この薬は、水ぼうそうウイルスが増殖するのを抑える効果があります。帯状疱疹の痛みや炎症がひどいときは、抗ヘルペスウイルス薬だけでなく、消炎鎮痛薬やステロイドの内服も行います。
帯状疱疹後神経痛が続く場合は大学病院麻酔科でのペインクリニック外来を御紹介する場合もございます。
手湿疹とは、手に接触する物質が刺激となって、手のひらや指に皮膚炎ができる病気です。また、手湿疹が進行すると、指の腹がひび割れて痛みが生じたり、皮膚が薄くなって指紋が消えることもあります。場合によっては、赤い丘疹が手や指にできることがあり、かゆみが伴うこともあります。治療法としてはハンドクリームやワセリンといった保湿剤を塗りこみます。手へのダメージで失われた水分と油分を取り戻すことで、手湿疹の進行を防ぎます。また皮膚炎が強い場合はステロイド外用薬を患部に塗布し、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬を内服します。
とびひとは、正式名称「伝染性膿痂疹」といいます。皮膚の浅いところに細菌が感染し、水泡や膿疱が広がっていく病気です。
とびひには水泡性と痂疲性の2種類があります。水泡性のとびひはできた水疱が破れた状態となるのもので、痂疲性のとびひはできた水疱や膿疱が厚いかさぶたになるのが特徴です。
原因としてとびひは擦り傷や虫刺され、あせもなどによってかきむしった後にできる皮膚の浅い傷に、細菌が感染することで症状が出現します。
原因菌としては「黄色ブドウ球菌」と「レンサ球菌」があります。黄色ブドウ球菌は、どこにでもいるような菌で、顔や皮膚に存在しています。通常このような菌は無害ですが、皮膚が弱くなると菌が増殖しやすくなるため、菌の放出する毒素によって水疱や膿疱ができるのです。
治療法としてはとびひの原因になっている細菌を退治することを目的として治療します。薬は抗菌薬を用います。症状が軽い場合は抗菌薬が含まれた塗り薬を用いることで治ることがありますが、とびひが全身に及んでいる場合は抗菌薬の含まれた飲み薬を使用します。
生活上の注意点としてはお風呂は控えて、せっけんでしっかりと患部を洗うようにしましょう。
患部をこする必要はありませんが、菌を洗い流して皮膚を清潔に保っておくことが重要です。
近年、多汗症という言葉をよく耳にすることが多くなりましたが、多汗症患者数は年々増加している傾向にあります。多汗症とは、気温や室温に関係なく必要以上に汗が出て皮膚の表面が汗で濡れてしまう状態を多汗症といいます。多くはわきの下、手のひら、足の裏に発生します。これらの部位は精神性発汗部位であり、精神的緊張により発汗が増えます。わきの下に多量の汗をかくことで、見た目や臭いの面で、周囲の目が気になったり、物ごとに集中できなくなったりしてしまいます。わきの多汗症は当院でもボトックス注射による治療も行っておりますが、両手の平や両足となると中々、注射による治療は不可能となります。
外用、内服治療としてアルミニウム塩化物やアルミニウム塩化水素などの成分が多汗症の症状を抑制します。抗コリン薬は交感神経からアセチルコリン分泌を抑制することで発汗を抑制します。制汗剤は通常、就寝前に皮膚が乾いている状態で塗布します。手汗にはアポハイドローション、脇汗にはエクロックゲル、エクロックツイストボトル、ラピフォートワイプなどがあります。内服薬はプロバンサインが保険適用薬です。
当院では水道水イオントフォレーシス療法を行っております。水道水を入れたトレーに10~15分間ほど手(あるいは足)を浸し弱い電流を流します。電気分解により陽極側に生じた水素イオンが汗腺分泌部のイオンチャンネルをブロック。つまり汗腺細胞の細胞膜のイオンの出入りを阻害し汗を生成させなくする、という原理です。1週間に1回の施行を12回連続したケースでは治療前の発汗量と比較し1/3量まで多汗症を減少させることが出来たという報告もあります。しかし治療を中止してしまうと効果の持続期間は2~3ヵ月でありその後は再発する可能性が高く定期的な通院と継続が必要な治療方法です。この水道水イオントフォレーシス療法は保険適用ですので安心して治療を受けられます。(手のひら、足の裏の多汗症が適応になります。)保険診療の水道水イオントフォレーシス治療は、3割自己負担の場合、1回660円ほどで治療を受けることができます。
普段のご家庭でのお手入れは、塩化アルミニウムローションを用いて治療をしていきます。汗の出る穴を変性させてしまうことにより汗を抑えてしまうお薬です。
歴史があるお薬ですが、残念ながら保険医療の適応はございません。
手汗・脇汗・足汗に効果があります。汗の出る穴を変性させてしまう働きと同時に殺菌効果もあり、わきがにも効果があります。
毎日、夜1回使用してください。(肌の状態によって頻度は前後します)
| 料金(1本50cc) | 2,750円(税込) |
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接触皮膚炎とは、原因物質(刺激物またはアレルゲン)が皮膚に直接触れることで炎症が起きる皮膚炎です。主な症状は、ヒリヒリした感じや痒み、赤み、水ぶくれ、ブツブツ等で、痒いからといって掻いてしまうと、より症状が悪化することがあります。
診断として、接触皮膚炎の原因を調べるために問診、そしてアレルギー検査等が重要になります。
治療法としては、まず原因物質の特定と回避が最も大切で、症状を軽減もしくは消失のためのステロイド外用剤や、痒みが強い場合には抗ヒスタミン剤などが使われます。2週間以内には症状が軽快していく場合が多いと言われています。
虫刺症とは、蚊、ブヨ(ブユ)、ハチ、ダニなどの昆虫に毒針を刺されたり、咬まれたり、吸血されたり、あるいは毛虫や蛾などの体毛に触れたりすることで起こる皮膚炎の総称です。虫が皮膚を刺したり咬んだりすることそのものによる物理的な刺激のほか、皮膚に注入された毒液や唾液などに対するアレルギー反応によって、かゆみ、赤み、腫れ、水ぶくれといった症状が出ます。患部が熱を持ち、痛みやかゆみを伴うことも多くみられます。
アレルギー反応には、虫に刺された後すぐに発疹やかゆみ・赤みが起こる「即時型反応」と、1~2日後から皮膚症状が遅れて出現してくる「遅延型反応」とがあります。
虫に刺された、咬まれた後のアレルギー反応は、個人の体質や、刺された回数などが影響してくるため、症状の出方には個人差があります。刺される瞬間を自分で見ていれば何の虫に刺されたのか分かりますが、実際は症状が出た後に刺されていたことに気づくケースも少なくありません。皮膚の状態をみただけでは、原因となった虫の種類の特定が難しいことがほとんどです。
治療は、軽症であれば痒み止め程度でも構いませんが、赤みや痒みが強い場合は、ステロイド外用剤の使用が有効です。症状が強い場合は抗ヒスタミン剤(痒み止め)やステロイド剤(炎症止め)の内服等が必要になる場合もあります。
頭皮や髪の生え際、顔(眉毛・眉間、小鼻、耳の後ろ・内側)、わきの下、胸や背中、股間、膝の裏といった、皮脂が多く分泌される場所(脂漏部位)でがさがさ、赤みが出るのが脂漏性皮膚炎です。かゆみは強いこともあれば、あまり気にならないこともあります。赤みや痛痒がない、またはあったとしても軽くてフケだけが目立つような場合は、フケ症と診断されることが多いです。こうした軽度の症状だと治療を受けずに放置してしまいがちですが、ひどくなるとフケが固まってかさぶたのようになってしまうことがあります。さらに、徐々に重症化したり他の部位でも発症したりと、慢性的に進行することが多く、あとで乾癬に発展または乾癬を合併したりすることもあります。多量のフケが出たり痒みが強くなっている場合は、脂漏性皮膚炎と診断されることが一般的です。また、マラセチアという人の皮膚に常在しているカビ(真菌)の一種が原因の一つと言われています。この、マラセチアは、どんな人の皮膚でも存在しているカビ(真菌)で、普通は皮膚病の原因にはなりません。脂漏性皮膚炎の皮膚でもマラセチアの数は増えていませんが、マラセチアに対する免疫異常になることで皮膚が赤く、がさがさになります。
マラセチアが原因となる病気としては「癜風(でんぷう)」、「マラセチア毛包炎」もあり、いずれも湿気の多い夏に胸や背中に出やすいという特徴があります。
脂漏性皮膚炎は乾燥によりがさがさが悪化するため、冬により多くみられる傾向もあります。
乾癬とは、慢性的な炎症を伴う皮膚の病気で、皮膚が赤く盛り上がり(紅斑)、その上に銀白色のフケのようなものが付着する症状が特徴です。白いかさぶたは古い皮膚の細胞が角化してもりあがっている垢で鱗屑(りんせつ)と言います。鱗屑を無理にはがすと点状の出血がみられるアウスピッツ現象(Auspitz phenomenon)が見られます。通常、皮膚が生まれ変わるまでの時間(ターンオーバー)は45日ほどですが、乾癬では4~7日間と新陳代謝の速度が約10倍となり表皮が異常に増殖します。
この病気は、本来体を守る免疫システムが過剰に働くことで発症すると考えられており、人から人にうつる病気ではありません。日本人の300人に1人程度、中年の男性に多いのも特徴で、乾癬の患者さんの約65%が男性です。
皮膚症状に加え、関節の痛みや腫れを伴う「間接症性乾癬」や、爪の症状、さらには全身の倦怠感などを引き起こすこともあります。乾癬は、皮膚が赤くなり、がさがさする病気としてはアトピー性皮膚炎の次に多いものです。湿疹やアトピー性皮膚炎と区別がつきにくい場合もあるのですが、頭皮、肘や膝の表側にできやすく、がさがさした赤い部分と周りの境界がはっきりしているという特徴もあります。顔、首や肘や膝の裏側にできやすく、また周りとの境界がはっきりしないことも多いアトピー性皮膚炎とは対照的です。
痒みはあることもないこともありますが、悩むひとも多く、掻いてしまうと乾癬が悪化してしまいます。また、アトピー性皮膚炎は子どもの頃から始まることが多い疾患ですが、乾癬は大人になってから出現することが多いという特徴もあります。
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とは、手のひらや足の裏に、膿を伴った小さな水ぶくれ(膿疱)が繰り返しできる慢性の皮膚疾患です。膿疱の中に菌は入っていないため、人に感染することはありません。“手湿疹”と間違えられることもありますが、足の裏にも同様の症状が出たり、痛みを伴うようであれば『掌蹠膿疱症』を疑います。症状は、かゆみ、赤み、かさつき、ひび割れなどを伴い、爪の変形や、胸の骨と鎖骨の関節などが痛む「掌蹠膿疱症性骨関節炎」を合併することがあります。爪に症状が現れると、爪の下に膿疱などができたり爪が変形・はがれて浮いて来たりします。また、手のひらや足裏の他にも膝やすね、頭部に発現することもあります(掌蹠外皮疹)。
症状が手足に出るので汗を出す汗腺(かんせん)が炎症を起こす原因でないかと推測されていますが、はっきりした原因は不明です。また、掌蹠膿疱症の患者さんは喫煙者であることが非常に多いのが特徴的です。
掌蹠膿疱症と紛らわしいのは「湿疹」、「水虫」の2つです。湿疹とは区別がつきにくい場合もありますが、掌蹠膿疱症では黄色い膿をもったポツポツががさがさや赤みと同時に出現することが特徴的です。水虫では足に赤み、がさがさ、黄色いポツポツが出現することがあり、見分けが難しいこともありますので、水虫でないことを確認するために顕微鏡の検査を行います。
蜂窩織炎(ほうかしきえん)とは、皮膚と皮下組織に起こる細菌感染症で、体の表面にいる細菌が皮膚の中に入ってしまい、腫れて炎症を起こし、赤くなる病気です。キズから細菌が中に入り、周囲が腫れてくることが典型です。押すと痛みがあることも多く、顔、腕、脚、どこにでもできることがあります。主たる原因菌は、黄色ブドウ球菌と化膿レンサ球菌の2種類です。ほかにも原因となる細菌がいくつか確認されています。感染が起きると、患部に赤み、腫れ、熱感、痛みが生じ、発熱や悪寒を伴うこともあります。足のすねな放置していると、リンパ節に炎症が生じたり、先ほどあげた症状に加えて倦怠感・関節痛・頭痛など全身の症状が現れる人もいるため甘く見ることのできない疾患です。
なお、人から人へと移る病気ではありませんので、他人と接近することで感染するといった心配はありません。
ひょう疽とは、手足の指の爪の周囲から細菌が入り込み、炎症が起きて痛みや腫れが生じる感染症です。爪の縁が赤く腫れ、ズキズキとした痛みが生じ、膿がたまることもあります。爪周囲炎と呼ばれることもあります。
手荒れをよく起こす人や、爪に外傷を持つ人に、発症リスクが高いとみられます。ひょう例えば、ささくれ(さかむけ)をむしったり、手洗いの回数が多くて手荒れが起きたり、巻き爪・陥入爪、擦り傷や切り傷があるようなときに、その損傷部分から細菌が侵入します。ばんそうこうを長時間貼っていた、子どもの場合は指しゃぶりしていたといったことも、皮膚がふやけているのがひょう疽を起こす原因となりやすいと考えられています。
また、マニキュアや除光液の頻繁な使用、ジェルネイルや甘皮の除去でも、爪付近の皮膚のバリア機能が低下するためリスクが高まります。放置すると炎症が指の腹に広がったりすることがあり、早期の受診が大切です。
爪の縁に沿って非常に赤く腫れ、ズキズキした痛みを伴う疾患を爪囲炎と言いますが、これが深刻化した際に起こりやすく、患部は指の腹部にも拡大しています。ひょう疽になると、痛みはかなり強く、どくんどくんと脈動するように感じられます。
痛みは、炎症によるものだけでなく、皮膚の下に浸出液や膿が充満したせいで、皮膚内が圧迫されていることも原因です。
膿が形成される病気なので、なるべく早い段階で医療機関を受診する必要がある感染症です。医師による排膿処置を受けると、多くの場合はすぐに痛みがおさまります。治療の中心としては、この排膿処置と適切な抗生剤投与となります。
「酒さ」(しゅさ)は、「赤ら顔」とも呼ばれ、鼻や頬、額などに赤みやニキビのような症状が出る病気です。皮膚の症状に加えて、ほてりやヒリヒリ感などもみられます。30~50歳代に発症しやすく、男性よりも女性に多い傾向があります。
酒さの種類として大きく4つのタイプに分けられます(複数のタイプの症状がみられることもあります)。
1 紅斑毛細血管拡張型:顔が赤くなり、毛細血管の広がりがみられる
2 丘疹膿疱型:赤い盛り上がりや膿のたまったブツブツがみられる
3 鼻瘤:鼻の皮膚が厚くなり、こぶのようなものができる
4 眼型:眼の充血、異物感やかゆみ、乾燥、まぶしさを感じる
酒さの原因は明らかになっていません。日光や高気温・低気温などの外部環境、精神的ストレスや食べ物などによる身体の内部環境、さまざまな要因が重なって発症すると考えられています。症状が良い状態を保つためには、症状を悪化させるものを見つけ、できるだけ避けることが大切です。
酒さは悪化の原因がさまざまあり、治療を開始してすぐに良くなるわけではありません。
症状が良くなったり悪くなったりすることがありますので、根気よく治療を続けることが大切です。対処法は、「治療」「悪化因子をさける」「スキンケア」の3本柱です。
やけど(熱傷)とは、熱や化学薬品などの刺激によって皮膚や粘膜が損傷することで生じる
外傷です。高温の液体や固体に長時間触れることで起きるほか、低温による「低温熱傷」
や、薬品、電気、放射線が原因となる場合もあります。損傷の深さによってⅠ度からⅢ度
まで分類され、症状や治癒期間、後遺症の有無などが異なります。
やけどの深さは、損傷を受けた皮膚の深さによってⅠ度からⅢ度まで分類されます。
1.Ⅰ度熱傷:皮膚の表面(表皮)のみの損傷。皮膚が赤くなり、ヒリヒリとした痛みがあるが、水ぶくれはできない。
2.Ⅱ度熱傷:皮膚の真皮まで損傷が及ぶ。水ぶくれ(水疱)ができる。
・浅達性Ⅱ度::真皮の浅い部分まで。水ぶくれができ、ジュクジュクとした赤い皮膚がむき出しになる。
・深達性Ⅱ度::真皮の深い部分まで。水ぶくれができ、皮膚が白色やまだら状の赤色に見えることも。痛みを感じにくいこともある。
3.Ⅲ度熱傷:皮膚の全層(表皮、真皮、皮下組織)まで損傷が及ぶ。皮膚が硬くなり、灰白色に見える。神経や血管も破壊されるため、ほとんど痛みを感じない。
火などの高温に触れることによって熱傷は起こることが多いのですが、40度から55度位の比較的低めの温度でも低温熱傷と呼ばれる熱傷がおき、よりダメージは強くなる場合もあります。熱傷になった場合は、患部を冷やし、炎症をとるステロイド軟膏や二次的な感染を抑える抗菌薬を塗布して治療します。初期に炎症を抑えることは非常に重要で、まず患部を水道水などで十分に冷却し、早めに受診してください。Ⅲ度の熱傷では皮膚は壊死して一般的には再生しないため、壊死した皮膚を除去し、範囲の広さによっては植皮手術を行います。
日焼けの正式名称は「日光皮膚炎」といいます。
長時間屋外で強い紫外線(主にB波:UVB)を浴びたことが原因で皮膚が火傷をしたように赤く腫れ、熱をもつ、水ぶくれ、ヒリヒリとした痛み、場合によっては強い痒みなどが出現します(一般的に、日焼けは軽いやけどと同様です)。
紫外線を受けて約8~24時間で症状がピークに達し、その後数日間炎症が続くことが多いです。
治療は炎症を抑えるための充分な強さのステロイドの塗り薬になりますが、日焼けが重症の場合はやけどの時と同様の治療を行います。また、色素沈着を予防・治療するための薬の処方 を行うケースもあります。まず自宅でできるケアとして、日焼け後しっかり冷やしてクールダウンさせ(濡れタオル、氷嚢など)、十分に保湿しましょう。やけど同様、ケアは早ければ早いほど効果があります。
また、日焼け後は脱水になりやすいので、水分補給をこまめに行うことも重要です。
しもやけとは、凍瘡とも呼ばれ、寒暖差による血行不良が原因で起こる皮膚の炎症です。
寒冷に曝露しやすい末梢部(指趾炎、耳朶、鼻尖)時に頬、膝蓋、前腕などに赤い発疹や腫れを生じ、多くはかゆみや痛みを伴います。悪化すると水ぶくれや潰瘍ができることもあります。
見た目は虫刺されや水虫、洗剤かぶれやひび・あかぎれにも似ているため、何の症状か間違いやすいところに注意が必要です。
入浴や暖房にあたっている時、また就寝時に布団に入って暖まっている時などは、血流が急激に改善されることによって、かえってしもやけのかゆみが強くなることがあります。
赤く膨れ上がる樽柿型と、赤紫の斑ができる多形浸出性紅斑型があります。原因として、気温差で血流の調整がうまくいかないと、そこに炎症細胞が集まって発症します。発生しやすい温度は外気が4、5度で、寒暖差が10度以上ある時期で、実は厳冬期より、初冬や終冬、春先などに多くみられます。なお、気温が上がっていく春頃には、自然と症状がおさまっていくことが一般的です。
治療として毛細血管を拡張する働きのあるビタミンEや当帰四逆加呉茱萸生姜湯などの漢方薬の内服を行い血行の改善を行います。かゆみには抗アレルギー剤を処方し、かゆみを抑える軟膏など外用剤を使うこともあります。
予防としては手を洗ったらよく拭き、汗をかいた靴下などはすぐ着替えることも重要です。水分が残っていると、蒸発するときに皮膚温が下がり血流が悪くなります。末端が冷えないように手袋や足先にカイロを入れて温めることで効果がみられることもあります。通常は温かくなると発症しなくなりますが、症状が続く場合は、別の病気が隠れている可能性もあるので、適切な検査等を行うことも大切です。
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