2025年6月01日

「子どもには2回接種が必要って聞いたけど、本当?」「高齢の両親にワクチンを勧めたいけど、効果はあるの?」「大人の自分は毎年打たなくても大丈夫?」
インフルエンザワクチンについて、こんな疑問を抱えている方は多いのではないでしょうか。実は、年代によってワクチンの効果や接種方法は大きく異なります。子ども、大人、高齢者それぞれに最適な予防戦略があるのです。
この記事では、公的機関が公表している情報をもとに、年代別のインフルエンザワクチン事情を詳しく解説します。あなたとご家族にとって最良の選択ができるよう、専門的な内容を分かりやすくお伝えしていきます。
当院での接種をお考えの方へ
池袋駅前内科・皮膚科クリニックでは13歳以上の方を対象に、インフルエンザ予防接種を行っています。12歳以下の方は当院では接種を行っておりません。小児科を標榜する医療機関、またはお住まいの自治体の予防接種のご案内をご確認ください。
インフルエンザワクチンの基本知識

ワクチンが働く仕組み
インフルエンザワクチンは、ウイルスの一部を体に入れて免疫を作る予防接種です。まるで「敵の写真を見せて、本物が来たときにすぐ対応できるよう訓練する」ようなものですね。
ワクチンには、発症を一定程度防ぐ効果に加えて、重症化を防ぐ効果が期待されています。厚生労働省は、高齢者福祉施設に入所している65歳以上について、発病を34〜55%、死亡を82%阻止する効果が報告されているとしています。ただしこれは高齢者施設の入所者を対象とした数値であり、すべての年代に当てはまるものではありません。
年代別接種が重要な理由
なぜ年代別に考える必要があるのでしょうか?主な理由は以下の通りです:
- 免疫機能の発達段階:子どもはまだ免疫系が未熟
- 過去の感染歴:大人は様々なウイルス株への免疫を保有
- 免疫機能の低下:高齢者は加齢により免疫力が減少
これらの違いが、接種回数や効果に大きく影響するのです。
子ども(6ヶ月~13歳未満)の接種事情

接種開始時期と回数
生後6ヶ月から接種可能ですが、最も重要なのは接種回数です。13歳未満の子どもは原則として2回接種が推奨されています。
接種スケジュール例
- 1回目:10月中旬~11月初旬
- 2回目:1回目から2~4週間後
- ※流行期(12月~3月)前に完了することが重要
子どものワクチン効果
13歳未満の子どもは、初回接種だけでは十分な免疫が得られにくいとされ、原則として2回接種が推奨されています。厚生労働省は、6歳未満の小児を対象とした2015/16シーズンの研究において、発病防止に対する有効率が60%であったと示しています。
集団感染対策としての意義
保育園や学校では、一人の感染が大きな流行につながる可能性があります。実際に東京都の調査では、ワクチン接種率が高い学校ほど学級閉鎖の発生率が低いことが分かっています。
子どもの接種における注意点
- 副反応:接種部位の赤み・腫れ・痛みが10〜20%程度、発熱やだるさなどの全身症状が5〜10%程度にみられ、通常2〜3日で軽快するとされています(厚生労働省)
- 卵アレルギー:軽度であれば接種可能な場合が多い
- 体調不良時:発熱時は接種延期
大人(18~64歳)の接種事情

接種回数と効果
18歳以上の大人は1回接種が基本です。これは、過去のインフルエンザ感染やワクチン接種により、基礎となる免疫を既に持っているためです。
ワクチンに期待されているのは、発症を一定程度防ぐ効果と、発症した場合に肺炎などの合併症や入院といった重症化を防ぐ効果です。発症を完全に防ぐものではありません。有効性として公表されている数値は、対象とする年代や調査の条件によって異なります。
働く世代特有の事情
仕事への影響を考慮すると、ワクチン接種の意義は大きくなります:
- 欠勤日数の減少:未接種者と比較して約2日短縮
- 生産性の向上:症状が軽く済むため、業務への復帰が早い
- 家族への感染予防:特に小さな子どもや高齢者がいる家庭では重要
接種タイミングの選択
大人の場合、10月~12月初旬の接種が推奨されます。「仕事が忙しくて時間がない」という声をよく聞きますが、多くの医療機関では土日や夜間の接種も可能です。
高齢者(65歳以上)の接種事情

定期接種制度
65歳以上の方は定期接種の対象となり、自治体からの公費助成を受けられます。多くの自治体では自己負担1,000~2,000円程度で接種可能です。
高齢者における効果の特徴
「高齢者はワクチンの効果が低い」という話を聞いたことがあるかもしれません。実際には、発症を防ぐ効果と、重症化を防ぐ効果は別の指標として報告されています。
報告されている効果
- 厚生労働省は、高齢者福祉施設に入所している65歳以上について、発病を34〜55%阻止し、死亡を82%阻止する効果が報告されているとしています
- これは高齢者施設の入所者を対象とした数値であり、すべての高齢者に当てはまるものではありません
- 接種しても発症することはあり、発症を完全に防ぐものではありません
基礎疾患がある方への重要性
糖尿病、心疾患、呼吸器疾患などの基礎疾患がある高齢者では、ワクチン接種がより重要になります。インフルエンザは既存の病気を悪化させるリスクが高いためです。
年齢層別ワクチン接種情報
| 項目 | 子ども(6ヶ月〜13歳未満) | 大人(18〜64歳) | 高齢者(65歳以上) |
|---|---|---|---|
| 接種回数 | 2回 | 1回 | 1回 |
| 制度上の位置づけ | 任意接種 | 任意接種 | 定期接種(予防接種法に基づく) |
| 費用の扱い | 自費(自治体により助成がある場合があります) | 自費 | 自治体の定期接種。自己負担額・実施期間は自治体により異なります |
| 当院での接種 | 行っておりません | 可(1回3,500円・税込/診察料込) | 可(1回3,500円・税込)。当院は豊島区の定期接種実施医療機関ではないため全額自己負担です |
専門家が語る年代別注意点

感染症専門医からのアドバイス
年代別に考えるうえで大切なのは、重症化のリスクと生活環境の両方をあわせて判断することです。一般的には次のような整理ができます。
具体的な推奨事項:
- 子育て世代:家族全員の接種で「家庭内感染の連鎖」を断つ
- 働く世代:職場での集団感染を考慮し、早めの接種を
- 高齢者:基礎疾患の主治医と相談し、最適なタイミングを決定
副反応への対処法
年代に関わらず、接種後24~48時間は以下の点に注意しましょう:
- 接種部位の腫れ・痛み:冷湿布で対応
- 軽度の発熱:解熱剤の使用可能
- 体調の変化:かかりつけ医への相談
まとめ:あなたの年代に最適な予防戦略を
インフルエンザワクチンは、年代によって効果も接種方法も大きく異なります。子どもには2回接種で集団感染を予防し、大人には1回接種で社会活動を継続し、高齢者には公費助成を活用して重症化を防ぐ──それぞれに最適な戦略があります。
今すぐできること
- かかりつけ医への相談予約
- 自治体の助成制度の確認
- 家族全体での接種計画の検討
2026-2027シーズンに向けて、あなたとご家族の健康を守る第一歩を踏み出しましょう。早めの準備が、安心できる冬を迎える鍵となります。
当クリニックでは、土日も診療しており、平日お忙しい方でも安心して接種いただけます。池袋駅東口から徒歩約3分、西武池袋線西武口から徒歩2分とアクセスもよく、事前予約で待ち時間も短縮できます。
接種前の丁寧な問診で安全性を確保し、接種後の体調管理までサポートいたします。
ご質問やご不安な点がございましたら、遠慮なくお気軽にご相談ください。あなたと大切な方の健康をしっかりとサポートさせていただきます。
この記事の監修医
永松 裕紀 医師
池袋駅前内科・皮膚科クリニック 院長
東京医科大学医学部医学科卒業後、東京医科大学八王子医療センターおよび国際医療福祉大学三田病院にて、呼吸器外科診療に従事。
池袋で予防接種をお考えの方へ
当院では13歳以上の方を対象にインフルエンザ予防接種を行っています。12歳以下の方の接種は行っておりません。18歳未満の方は保護者の同伴が必要です。
料金・接種できない方・副反応などの詳細は、予防接種のご案内ページでご確認ください。
よくあるご質問(FAQ)
Q. 13歳未満の子どもは2回接種が必要ですか。
Q. 2回目はいつ接種すればよいですか。
Q. 大人は毎年接種する必要がありますか。
Q. 高齢者の定期接種制度とはどのようなものですか。
Q. 年代によってワクチンの効果に差はありますか。
Q. 接種した部位が腫れたときはどうすればよいですか。
Q. 家族全員で接種したほうがよいですか。
本記事は一般的な医学情報の提供を目的としたものであり、個々の症状に対する診断・治療を保証するものではありません。ご自身の健康状態について気になる点がある場合は、自己判断せず医療機関を受診してください。/最終更新日:2026年9月12日